結論
金利が極めて低い奨学金(例:年0.1〜0.5%程度)であれば、毎年100万円を繰り上げ返済するより、奨学金を返済しつつ余力の80万円を投資(年5%想定)に回した方が、数字上は有利になりやすい。心理的な安心を最優先する場合を除けば、「返済は規定通り+投資を並行」が合理的だと私は考えています。
実際に私はこの方法で28歳時点で資産1000万円、30歳で1500万円に到達しました。
はじめに:奨学金と資産形成の葛藤
私は22歳で以下の状態で社会人生活をスタートしました。
- 年収:約320万円
- 奨学金残高:400万円
- 貯金:25万円(学費支払い後に残った分)
資産より負債が多い債務超過の状態でした。また、実家から自立して自分の力で生活しようとすると、思っていた以上にお金がかかります。家賃、光熱費、食費に加えて、交際費や冠婚葬祭などの突発的な出費もあります。その中で、毎月1万6000円の奨学金返済は確実に家計にのしかかってきます。
この状況で私が直面したのが、
「奨学金を急いで返すべきか、それとも投資を始めるべきか?」
という選択です。
借金を早くゼロにすれば気持ちは楽になりますが、投資は早く始めた方が有利という情報も耳にします。この板挟みの中で、私は実際に数字を比較し、自分なりの答えを出しました。
私がとっている戦略と家計の実態
悩んだ末、以下の方針取ることにし、それを続けた結果、28歳で資産1000万円、30歳で1500万円を達成できました。
- 通常返済:毎月1.6万円(年19.2万円)+利息はごく少額
→ 規定返済分は必ず支払う。無理に繰り上げ返済はしない方針。奨学金は金利が低いため、焦る必要はないと判断。 - 投資:毎月約4万円(メインはオルカン、その他は債権やゴールド、仮想通貨など)
→ 奨学金の金利(年0.3%前後)に対して、投資リターンは年5%程度が期待できるため、余剰資金は投資に振り向けた。 - 家計設計:可処分所得約20万円強=手取り約24万円 −(奨学金1.6万円+子どもの学費積立2万円)
→無理なく資産形成できる家計配分の目安は生活費5:娯楽3:貯蓄2ですが、最近は物価高で6生活費6:娯楽2:貯蓄2に寄り気味です・・・。
毎年100万円を4年間繰上返済vs繰上返済せずに余力を投資
私が繰り上げ返済せず、積立投資を並行して進めることにした根拠として、以下2パターンを比較して示したいと思います。
条件:
A)4年連続で毎年100万円を繰り上げ返済する
B)毎年19.2万円(1.6万×12か月)を年利5%の投資信託に回す
※インデックスファンドの平均年リターンは約5%が相場と言われています。
オルカンが2018年にリリースされて以来、平均年リターンは約8%ですが、
ここはセオリー通り5%で計算します。
A:繰り上げ返済する場合 (合計)
投資をせず全力で奨学金を返済するパターンです。
100万円を4年間で1回ずつ返すと、もちろん400万円です。負債が400万円無くなったので、純資産が400万円増えたことにします。
B:投資に回した場合の4年後評価額(合計)
年19.2万円(毎月1.6万円)を返済しつつ、80.8万円を積立投資に充てた場合です。
計算の流れ
- まず、年利5%を月利に換算します。
月利=(1+0.05)1/12−1≒0.00407(約0.407%)
年5%でも、1か月あたりにすると約0.4%の増加です。 - 毎月の投資額を加えた後、その月の利回りで運用益を加算します。
例:1か月目 → 67,300円 × (1 + 0.00407)
2か月目 → (前月分 + 67,300円) × (1 + 0.00407)
…これを48か月繰り返します。
結果
4年間積み立てを続けると、元本は67,300円×48か月=323万400円ですが、
運用益が加わって最終評価額は約357万4,000円になります(税引前)。
並行して返済していた奨学金は76.8万円(1.6万円×12か月)ですので、
合計して純資産額は434万2000円増加したことになります。
ポイント
- 並行して投資をした方が約34万円ほど資産が増えており、4年という短期間でも複利効果が確実に効いているのがわかります。
- 更に、この34万円を奨学金が返済し終わる16年後まで年利5%で運用すると74万2000円になります。
- 4年で急いで繰り上げ返済しても金利軽減は数万円程度なので、このケースでは投資の方が金額的に有利になります。
メリット・デメリット
私の場合、資産形成を優先しましたが、人によってどちらを選ぶか様々だと思いますので、参考程度にメリット・デメリットをまとめました。
優先する選択肢 | メリット | デメリット |
---|---|---|
奨学金返済を優先 | ・借金が早く減り精神的に安定する → 返済が完了すれば「固定費1.6万円」が即座に消えるため、家計にゆとりが生まれる。 ・家計の固定費(返済額)が早く軽くなる → 生活設計の柔軟性が上がる。 | ・投資の複利機会を逃し資産形成が遅れる → 特に若い時期は複利効果の差が大きい。 ・今の時点では金利軽減効果は小さい → 現在の奨学金の利息(年0.3%程度)では返済期間全体の利息総額はごくわずか。 |
資産形成(投資)を優先 | ・長期の複利で資産の伸びが見込める → 4年間で431〜452万円、それが年利5%で30年運用すると約2,500万円に成長する。 ・将来のキャッシュフローに余力が生まれる → 資産収入が増えれば、返済や生活費に充てることが可能。 | ・借金が残る心理的ストレスが続く → 精神的に借金がある状態が耐えられない人には向かない。 ・(変動の場合)金利上昇で利息が増える恐れ → 将来の金利動向に不安が残る。 |
補足:現在は利息は金利がほぼ0%台なので気にしなくてOK。投資の想定リターン5%と比べると桁違いです。万が一奨学金の年利が5%になったときは早急に繰り上げ返済しましょう(笑)
私の学び(実体験ベース)
私の選んだ選択で良かった点と反省点を共有します。これから奨学金を返済する方は参考にして頂けると幸いです。
- 良かった点:繰り上げ返済を急がず、毎月決められた額を返済+投資を並行して進めたこと。利回り上の有利さに加えて、資産形成の進み具合が精神的な安心にもつながった。
- 反省点:当初変動金利を選んだため、最近の金利上昇で利息が増加。固定金利を選べば総返済額が読みやすく、計画が立てやすかったはず。
こんな人はどう考える?
人によって最善の方法はそれぞれなので、以下に当てはまる方向けにこれから取るべきアクションをまとめました。
- 数字で合理的に動きたい人:返済は規定通りにこなしつつ、余剰は投資へ。若いほど複利のメリットが大きくなる。
- 借金があると落ち着かない人:心理的安全>金額差なら、繰り上げ返済でOK。精神的負担が減れば生活の質が上がる。
- 家計に不安がある人:まずは手取り−(最低生活費+規定返済)で余力があるか試算。余裕がない場合は繰り上げより生活防衛資金の確保を優先。
まとめ
- 低金利奨学金なら、繰り上げ返済より投資並行の方が資産面で有利になりやすい。
- 4年スパンでも評価額(約431〜452万円)で優位。
- 金利軽減は数万円規模に留まり、投資の複利(5%)に比べると影響は小さい。
- ただし心理的負担の大きさは人それぞれ。数字と心の両面で納得できる選択をすることが大事。
私自身は「目先の楽より、長期の楽」を選びました。結果として、28歳で1000万円、30歳で1500万円に到達。実績が示すとおり、その選択が間違っていなかったと感じています。
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